http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1601/08/news060.html
「仕事柄、当社には不摂生な社員が大勢いる。夜遅くに店舗での仕事を終えてから酒を飲みに行ったり、ラーメンを食べたりと。腹がパンパンに出ている人も決して珍しくない……」
こう打ち明けるのは、牛丼チェーン「吉野家」や讃岐うどんチェーン「はなまる」などを展開する吉野家ホールディングスグループ管理本部の大前雅英執行役員だ。
同社は経営ビジョンに「人」「健康」「ICT」という3つのキーワードを掲げているが、健康についてはこれまで理想と現実にギャップがあったという。
同社が唱える健康とは、1つには野菜だけの「ベジ丼」に代表されるヘルシー志向の商品によって顧客の健康を実現すること、もう1つは休職者や離職者を減らすべく従業員の健康を実現することである。
ところが、後者に関しては、とても健康体だとは言えない社員が散見されていたわけである。
会社としても取り立てて対策をとっていなかった。
そうした課題認識の下、同社は2015年5月に社員の健康を推進する「ウェルネス経営」と、それを統括するCWO(最高健康責任者)制度の導入を発表(関連記事)し、すぐさま改善活動に着手した。
いつの間にか“健康オタク”に
まずは、各事業会社で部長以上の役職者のうち、健康診断で「肥満度」が所見ありという36人を対象にヘルスケア施策を実施。
ダイエットサービスなどを手掛けるFiNCの食事指導アプリを8月21日~10月19日までの2カ月間、対象者に利用してもらった。
すぐさま成果は表れ、多くの社員が10キログラム以上の減量に成功、中には20キロも痩せた強者もいたという。
現在、ホールディングスのCWOを務める大前氏も96キロから78キロと減量した。
「自発的にトレーニングしたり、食事内容に気を遣ったりと、ちょっとしたきっかけで意図的に行動できることが分かった」と大前氏は強調する。
ダイエットを促進させるための工夫もあった。
肥満度の基準にかかわらず各社の社長にも実施してもらうとともに、例えば、社長とその事業会社の社員、人事担当役員と管理部門の社員など、より身近なメンバーが刺激を与えるようなチーム分けをした。
「何よりもトップ自らが率先して取り組めば、部下はやらざるを得ない。
そういう仕組みにした」と大前氏は説明する。
今ではランニングする人が増えたり、筋トレマシンを競うように買ったりと、いつの間にか多くが“健康オタク”に生まれ変わったそうである。
このプロジェクトは副次的な効果ももたらした。
一緒に働いている役員や部長がみるみる痩せていくのを見て、周囲の社員たちもダイエットに自発的に取り組み出したのだという。
さらに、そうした全社的な健康機運の高まりを受け、昨年10月からホールディングスの社内報で食の専門家によるヘルシーな食事方法をテーマにした連載も始まった。
以前では考えられなかったことだという。
今後、部長以上は肥満以外の所見についても改善していくほか、アルバイトを含む全従業員も健康保険組合が提供する無料アプリを使って、ダイエットなどの健康推進に取り組んでいく予定である。
「現在、全社員で所見なしは1%に過ぎない。
これを10年後には15%に増やしたい」と大前氏は意気込む。
昨年末から今月下旬にかけて、ホールディングスの各事業会社はオフィス移転を順次行っており、これまでバラバラだったオフィスを東京・中央区の1つのオフィスビルに集約する。
同じ職場環境でグループ社員が働くことでシナジー効果が生まれ、ウェルネス経営においても好影響が出ることを期待する。
ホールディングスの河村泰貴社長は、将来的には不健康な社員は部長以上に昇進しないという方針を打ち出すとか。
同社の健康に対するストイックなまでの取り組みは、ますます熱を帯びていきそうだ。
引用元: ・【牛丼】不健康な社員は昇格できず・・・吉野家HDが始めた健康経営
>>不摂生な社員が大勢
バイト・パートを含む話しなんだけどね