1: 海江田三郎 ★ 投稿日:2015/12/25(金) 15:50:02.28 ID:CAP
http://jp.reuters.com/article/column-minori-uchida-idJPKBN0U50I520151222
[東京 22日] – 2015年の主要通貨のパフォーマンスを振り返ると上位2通貨は、ドルとスイスフランとなり、第3位に円が続く。
むろん、ドルは正常化観測から独歩高となった通貨であるし、スイスフランは1月の突然の為替介入打ち止め宣言を受け、全面高となった経緯がある。
これに対し、日本では異次元緩和が続いたが、ドルとスイスフランを除く全ての
主要通貨に対して円高が進んだ。
そのドルとスイスフランに対する円の下げ幅もわずか1%台と限定的だ。
この事実は、金融政策の格差が、為替相場を占う上で絶対的なものではないことを示している。
いよいよ米国の利上げが始まったことで、感覚的にはドル高円安が進むとの見方に傾きがちだ。
しかし、日米の金融政策、日本の国際収支構造の変化、世界的な通貨の勢力図などを勘案すると、16年はドル安円高への警戒が一段と必要になってきたと考えられる。
<金融政策はドル高円安を必ずしも示唆せず>
12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)における政策金利予想分布図(ドットチャート)の中位値は、16年の利上げペースとして年4回を示唆した。
一方、市場は、利上げ回数を2回かせいぜい3回としかみていない。
この12月、利上げ後にかえってドル安円高が進んだ通り、利上げ自体は必ずしもドル円上昇を意味しない。
このため、一段のドル高には、市場予想も年4回ペースでの利上げ予想へと収れんする必要があろう。
ただし、景気回復が始まってからすでに7年目に入っている米国経済の勢いは鈍る可能性が高く、やはり利上げはあっても2回程度にとどまろう。
金融政策面から生じるドル高は次第に勢いを失うだろう。
また、仮に市場が利上げペースの加速を織り込む場合も、2―3回の利上げしか見込んでいない 米国の株式相場は軟調に推移する可能性が高い。
それが円買いを通じてドル円上昇を抑制しよう。
さらに、その利上げペースの加速を織り込む理由が、仮に米国のインフレ率の高進だとすれば、ドルの実質金利上昇が抑制され、やはりドルは上がりにくいだろう。
一方、日銀は18日に、「量的・質的金融緩和を補完するための諸措置の導入」を決定した。
今後の円滑な資産買い入れを促す追加緩和への布石との見方も成り立とう。
しかし、長期国債の買い入れの平均残存期間を伸ばしておきながら、追加緩和ではないとの説明を含め、その意図や真意のわかりにくさは否めない。
そもそもすでに毎月10兆円規模の国債買い入れを行っており、国債の3割以上のシェアを占める日銀にとって、フロー(流動性)、ストック(日銀の国債保有残高)の両面で、国債の買い増し余地は無限ではない。
仮に追加緩和を講じる場合も、国債の買い入れ増額は、14年10月の追加緩和時を大幅に下回るか、国債以外の資産買い入れがその柱となる可能性が高い。
そうなれば、市場は日銀の緩和拡大余地への疑念を強め、為替市場での円安効果も限定的となろう。
そればかりか、大した円安が進まないという値動きを投資家が目の当たりにした後、市場の失望感が増幅され、円高圧力として跳ね返る可能性にも十分な注意が必要だ。
日米の金融政策の格差は、必ずしもドル高円安を指し示しているわけではないだろう。
<じわりと増す経常黒字の円高圧力>金融政策に次ぐ論点として、日本で急拡大した経常黒字をどのように評価するかが挙げられる。
多くの通貨に対し、円高が進んだ通り、経常黒字の拡大による円高圧力はすでに
着実に増したと言える。
ただし、旺盛な対外投資による円売りによって、ドル円でのドル安円高がかなり抑制されたのも事実だろう。
16年を展望すると世界で突出した対外純資産を持つ日本では、配当金の集積である第1次所得収支の 黒字が拡大基調を維持しよう。
よほど資源価格が急騰し、貿易赤字が急拡大でもしない限り、日本の経常収支黒字は来年も今年と同程度の年間15―20兆円規模を維持すると思われる。
引用元: ・【為替】円安、ついに終わりの始まりか
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