http://jp.reuters.com/article/iran-nuclear-economy-idJPKCN0UW055
[ドバイ 17日 ロイター] – イランが欧州エアバス(AIR.PA)から100機を超える商用機の購入計画を表明した。
これは欧米の制裁解除を受けて経済立て直しを目指すイランにとって、対外貿易取引や投資が急増する先駆けと言えるかもしれない。
ロウハニ大統領は欧米の制裁解除が正式発表された翌日の17日に「イラン経済は今、制裁という足かせが解かれ、基盤構築と成長の時期を迎えた」とツイートした。
そして制裁解除発表の直前には、アホウンディ道路交通相がタスニム通信に対して、エアバスから114機の商用機を購入する計画だと語った。
定価ベースで100億ドルを超える可能性がある商談だ。
エアバスは16日時点で、まだイラン側と交渉していないことを明らかにした。
イランで事業を展開する企業にとっては、当面引き続きいくつかの大きな問題に直面することも確かだ。
具体的にはイランの銀行が多額の債務を抱えていることや、法制度の未発達、汚職、硬直的な労働市場などのリスクが挙げられる。
イランが制裁解除の条件である核開発の制限を順守していないことが後で判明し、
再び制裁が発動されるという心配もあり、多くの外国企業はイランへの投資には及び腰の姿勢が続くだろう。
だが今回のエアバス機購入計画は、イランの潜在力の強さを浮き彫りにした。同国は人口が約8000万人で、年間の国内総生産(GDP)は4000億ドル前後に上る。世界貿易システムへの復帰という点では、20年以上前の旧ソ連崩壊以来の規模だ。
イランは金融や対外貿易などさまざまな分野での制裁が解除されるため、制裁下で手ごろな価格では入手できなかった航空機、工作機械や医薬品、ブランド衣料など多くの財・サービスに対する積もり積もった需要を満たせるようになる。
ロウハニ大統領は17日、今後5年間で現在ゼロ近辺の成長率を8%にまで高めるために300億─500億ドルの外国資金を導入することを目指すと議会で発言した。
金融制裁解除により、輸入品支払いに充当する資金もより多く確保できる。
米政府当局者は1000億ドル強資金凍結が解除されると見積もり、イラン中央銀行はもっと少ない290億ドルになると想定しているが、290億ドルでも数カ月分の輸入を賄える。
イランは原油輸出拡大によっても財政基盤を強化できる。
ただし足元では原油価格が低迷し、老朽化した国内生産設備の修復が必要なため、当面の増収規模は小さいかもしれない。
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