<当サイト管理人より>
ソフト開発は難しいですよ。好き勝手に作れるメリットもあるが、とんでもないバグが沢山組み込まれる。そのバグを検出するのが大変なのです。ソフトウェア開発の世界では、手順(作業工程)があります。要件→仕様→設計→製造(プログラム作成)→テスト→修正→検査といったところでしょうか。バグは製造(プログラム作成)の中だけで発生する訳ではありません。仕様作りや設計段階でも発生します。上流工程のバグ程修正に時間が掛かります。お金も掛かります。したがって、今回の話も驚くようなことではありません。よくあることです。ただ、成功する人は、このようなことを事前に想定しているということです。時間もお金も予備を用意しておくことで、リカバリーできる可能性が高くなります。
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「きのこれ」が出来るまで。
そもそも栗原さんは、どうして24歳で起業したんでしょうか?
栗原:前に勤めていた会社が倒産してしまって。それで、元同僚と3人で「ゲームアプリをつくろう」と、2014年4月に立ち上げたのがCmixという会社です。起業資金は知人に借りました。
「きのこれ」の企画はどのようにできたのでしょう。
栗原: 当時ユーザーとして、すごくハマっていた「クラッシュ・オブ・クラン」をベースに、かわいいイラストを使って、日本向けのゲームをつくれば、いけるんじゃないかと考えました。そこで、ネットの定番ネタである「キノコvsタケノコ」と、その当時に流行っていた「美少女×擬人化」を、組み合わせてつくったのが「きのこれ」でした。イラストはどのようにつくったのでしょうか?
栗原:
イラストについては、ピクシブで絵師さんを15人くらい探して、お願いしました。キノコって種類も多いですし、特徴もあるので、キャラクターにもしやすかったですね。「ブナシメジ」「エリンギ」など、スーパーで売っているようなキノコをメインキャラに、「ヒトヨタケ」(生えても一夜で溶けてしまう)など、特殊なキノコをレアキャラにしました。
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「きのこれ」の開発費は、どのくらいかかりましたか?
栗原:開発費については、累計2,000万円ほどかかりました。内訳は、プログラミング費用1,300万円、イラストやボイスに300万円、残りの700万円が社内の人件費です。私も元々プログラマだったので、社内でアプリを開発することも考えましたが、スピードを重視するために、企画やデザインは社内で行い、プログラムは外注することにしました。
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リリースする前はどんなことを考えていましたか?
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栗原:
リリース前から「ねとらぼ」「はちま起稿」「オレ的ゲーム速報@JIN」などのメディアで話題にしてもらい、事前登録は約4万人、ツイッターも数千フォロワーまで集まりました。なので「なかなか好調なスタートが切れそうだ」と考えていました。そんなことを思いながら、2015年の3月にアプリを公開しました。
※公開日はAndroid版(3/30)、iOS版(5/23)
「アプリ公開後」に起きたこと。
アプリを公開して「ダウンロード数や売上」はどのくらいまでいきましたか?
栗原: ダウンロード数は、累計15,000ダウンロードくらい(iOS+Android)でしたね。売上については(2015年)4月がピークで、そのときは月200万円くらいありました。一番課金していた人で1日13万円ほど課金してくれました。ジャンル的に、ユーザー課金率は高かったとおもいます。
※課金ポイントは500円の「ガチャ(キャラが獲得できる)」と、500円の「大工(施設を時短で立てられる)」だった(課金のみのため、広告収益はなし)
プロモーションなどもやっていたのでしょうか。
栗原:プロモーションは、ニコニコ動画の「てーきゅう」チャンネルに動画広告を出稿しました。料金については、25万再生で50万円(1impあたり2円)でした。
「てーきゅう」はギャグアニメなので、おもしろいモノが好きな視聴者も多くて、「きのこれ」との相性はよかったと感じます。
ここまでは「順調」に思えますが、どんな問題が起きたのでしょうか。
引用元: ・【起業】24歳で2000万掛けてスマホゲーム起業も、バグだらけで数ヶ月で倒産…元社長が語る会社倒産後の世界
栗原:リリース後に、とにかくバグ(不具合)に悩まされました。もちろんデバッグはしていましたが、経験が浅かったため、チェック漏れのバグがたくさん出てしまったんです。中でもひどかったのが「課金チケットが無限に配布される」というバグです。イベントで配布する予定だった「課金チケット」が、無限に配信されてしまって。チケットが4,000通とか、あまりにも大量に配布されすぎて、ユーザーがログインしようとするだけで、アプリが落ちてしまうことさえありました。
その後も、ずっとバグが続いて。ユーザーからもクレームがたくさん来て。「はやく直さなきゃ、はやく直さなきゃ」と急いでいるうちに、資金が底を尽きてしまいました。 え..?
栗原:
いくつか「資金調達の宛て」はあったのですが、一気に全部ダメになってしまって。大きい金額を投資してもらえるはずの話も、いきなり6月末に「やっぱりなしで」となってしまった。
そこで、いきなり追い詰められました。やばい、やばいとなって。とくにプログラミングを外注していたので、その支払いができなくなって。資金繰りで、手詰まりになってしまった。
あと「資金繰りの問題」に加えて、瀕死のところにやってきたのが、先ほどの「チケット無限バグ」でした。結局これが「最後のとどめ」になり、サービスを終了することを決めました。
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そこでどうすることもできなくなったと。
栗原:いえ、まだ選択肢としては「他社にゲームを譲渡して、運営を続けてもらう」という手があったんです。なので、いろんなゲーム会社に電話したり、声をかけて回りました。ですが、とにかく時間がありませんでした。資金が底をつくまでに、たった1週間ほどの猶予しかなかったので。結局、ほとんど相手にしてもらえず終わりました。当たり前ですよね。 厳しい状況ですね。
栗原:
もう、どうしたらいいのか、わかりませんでした。周りに相談できる人もいませんでした。書籍やネットでも必死に探しましたが、答えは見つかりませんでした。
最終的には、どうしようもなくなり「弁護士を頼る」という決断をしました。それはつまり「会社を清算する(倒産)」ということです。
最後まで「本当にこれでいいのか」と悩みました。もちろん「ここで終わりたくない」とも思いました。でも、他に方法がありませんでした。
「サービス終了後(会社倒産後)」は何をしなくてはいけないのでしょうか、想像もつきません。
(中略)
サービス終了すると「ゲーム」はどうなるのか
その後「きのこれ」のゲーム資産は、どこにいってしまうのでしょう。
栗原:
「ゲームの資産」は私の手から離れてしまいます。意思決定権もありません。資産をどうするかは、弁護士さんに全権がゆだねられる形になります。
そして、弁護士さんは「きのこれを売る」という決定をしました。そこで競売にかけられた「きのこれ」を買ったのが、
ポッピンゲームズです。私自身も(2015年10月から)今ポッピンゲームズで働いています。
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振り返ってみて、変えられるとしたら、何を変えたいですか?
栗原:
振り返ると「プログラミングは外注せずに、社内でやればよかった」と思います。そうしてたら「バグ問題」と「資金繰り」も、どうにかなったかもしれない。戻れるならそうしたいです。
元「きのこれユーザー」さんたちに、伝えたいことはありますか?
栗原:
この場を借りて「きのこれ」を遊んでくれたユーザーさんには、心から「申し訳なかった」と伝えたいです。サービスも「突然終了」になってしまい、本当に申し訳なく思います。
そして、もしチャンスをもらえるなら、また「きのこれ」を遊んでいただきたいです。このような流れで恐縮ですが、
実は3月に「きのこれR」として、ポッピンゲームズから再リリースされます。
もちろん、前作のキャラたちも登場します。新キャラクター(CV 田村ゆかり)も追加しています。
今度こそ皆さんを楽しませたいと考えています。どうか宜しくお願いします。
また、もし「きのこれR」と、コラボいただけるゲーム会社さんなどいらっしゃれば、ご連絡を頂戴できましたら嬉しく思います。
ちゃんと倒産させただけ偉い
まともに倒産できない企業がなんと多いことか
なんのこたない
次ぎいけばいい
若いんだからガンガンいったれ
馬鹿に会社経営は無理でした
が、地頭が・・
倒産までさせた奴はどういう心情なんだろう
内訳は、プログラミング費用1,300万円
イラストやボイスに300万円
残りの700万円が社内の人件費です
俺も2年間売上ゼロで廃業した。
そこ外注って自分らは何するつもりだったの?
お金持ってて仕事バンバンでそうなとこなら我慢して無茶な要求も飲むけど、
そうでない発注元とかはシビアに接しないとやってらんないよな。