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「介護事業者」の倒産が急増している。東京商工リサーチの調査によると、2015年1~11月の「老人福祉・介護事業」の倒産件数は66件と過去最悪を記録。
すでに前年の年間件数(54件)を上回っている。
企業業績が上向き、全体の倒産件数はバブル期並みに低いのに、例外的に「介護事業者」の倒産だけは増えているのだ。
設立から5年以内の「新規事業者」と「小規模事業者」の倒産が目立つという。原因は、深刻な“人手不足”だ。
東京商工リサーチ情報本部の原田三寛氏がこう言う。
「ある介護業者は、施設は用意したのに、働く人が集まらないため、いつまでたってもオープンできず、賃料がかさみ倒産してしまった。
介護は成長産業だということで、他業種からの新規参入が相次いでいるのですが、とにかく働き手がいない。
人が集まらないのは低賃金だからです。介護報酬は政府が決めているため、事業者も高い報酬を払えないのが実態です」
今年4月、安倍内閣が9年ぶりに「介護報酬」を引き下げたため、ますます介護業界から人が逃げ出しているという。
「新3本の矢」を掲げた安倍首相は「介護離職者ゼロ」を訴えているが、現場で働く人がいなければ、「介護離職者ゼロ」の実現など絶対に不可能。
働き手を増やすために、介護報酬をアップしなくてはならないのに、
ダウンさせているのだから、どうかしている。
現在、年間10万人の「介護離職者」を増やすだけだ。
「いま特別養護老人ホームを利用している人は54万人。
さらに、入居待ちをしている老人が52万人もいます。
介護離職者を減らすには、多くの介護施設を用意しなくてはいけない。
でも、必要なのはハコじゃない。人手です。
ハコは廃校になった学校などを再利用すればいい。
なのに、安倍政権はハコづくりにばかり目がいっている。
恐らく、介護の実態を知らないのでしょう。
介護現場で働く労働者の賃金は、平均より月に10万円も少ない。
これでは人は集まりませんよ。
報酬を平均より10万円多くすれば、あっという間に人が集まるし、
しかも質の高い人がくるでしょう。
なぜ、安倍首相はそんな簡単なことがわからないのでしょうか」(経済ジャーナリスト・荻原博子氏)
介護施設の倒産が増えれば、困るのは利用している老人である。
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