1: 海江田三郎 ★ 投稿日:2015/12/06(日) 10:37:31.35 ID:CAP
http://bizgate.nikkei.co.jp/article/91625218.html
私たちは、ある商品、あるサービスを「ひとつだけ」見て、それを買うのが苦手です。
でも何かと何かを「くらべる」ことができると一気に判断しやくすなり、「こっち!」と選ぶことができます。
「くらべる」ことで楽になる――これがアンカリングの本質です。
耳の遠い仕立屋兄弟の話
アメリカのキッチン用品店ウィリアムズ・ソノマは、高級家庭用パン焼き器を279ドルで売り出しました。
あとになって、少し大きなモデルを429ドルを追加して売り出しました。
この大きな高価格製品が登場したことで、小さな279ドル製品の売り上げが2倍近く増えたそうです。
はじめ、消費者は279ドル製品が「高いか・安いか」を判断できなかったのです。
ここに429ドル製品が加わったことで「くらべる」ことができるようになりました。
「くらべる」ことで消費者は279ドル製品のおトク感を実感でき、これで販売が伸びたというわけです。
1930年代、紳士服店を営むシド&ハリー兄弟の物語です。
鏡を前に試着するお客さんから価格を聞かれたシド、奥で仕立てをしているハリーに向かって「このスーツいくらだっけ?」と尋ねます。
「オール・ウールの最上級のやつだね、42ドルだ」と、実際より高い価格を答えたのは、奥で仕立てをしているハリー。
シドは耳が遠いふりをして、「え、いくらだっけ?」ともう一度尋ねます。
「42ドルだって!」と、再び奥のハリー。
シドはお客に向かって「22ドルだそうです」。
客は急いで22ドルを払ってスーツを買い、そそくさと店をあとにしたそうです。
顧客は、価格を「くらべる」ことで高いか安いかを判断します。
だからメニューには、自信がある「たったひとつ」だけを書くべきではありません。
それでは消費者が選べないからです。
私たちは「くらべる」ことでトクやソンを認知できます。
だから「高い定価を買いて上から二重線で消し、安い価格を書く」古典的な手法が、心理的に有効なのです。
いったん高い価格を見てしまうと、もうひとつの安い価格を見て、「トクした!」と思ってしまうからこそ、 「特売セール」は効果的なのです。
このように、「くらべる」ことでおトク感を演出したり、気持ちよく選んでもらう作戦を、 くらべるプライシング=「くらプラ」と名付けましょう。
多くの人が定価で見ないシネコンの映画
シネコンの映画には、各種の割引があります。
前売り割引に女性割引、シニア割引、団体割引、
曜日限定割引、携帯電話会社などと提携した割引もあります。
ほとんどの人が「割引価格」で映画を観ており、
定価で観ている人のほうが少ないです。
観た人は定価と「くらべる」ことでおトク感を実感できます。
定価を払った人にも、シネマイレージを使えば「6回観たら1回無料!」が付いており、抜かりはありません。
すべてのお客さんに対して、おトク感を提供しているわけです。
「くらべる」プライシングは、高級レストランなどでも活用されています。
東京の某高級ホテルのレストランでは、ランチメニューが「3種類」提供されていました。「5800円・4000円・3000円」です。
私の読みでは、高価格の5800円は一種のダミーです。
頼んでくれる金持ちや外国人がいたら、それはそれでめっけもの。
あまり注文する人がいなくとも、この「5800円」メニューには重要な意味があります。
この5800円があると、真ん中の4000円メニューが、妙に安く感じられませんか?
もし仮に、ランチメニューが「4000円&3000円」だったとしたら、多くの方が「3000円」を選ぶことでしょう。
しかしここで5800円メニューが用意されると、そっちが基準(アンカー)となって、4000円が安く見えてしまいます。
ただでさえ私たちは「3つのなかから真ん中を選ぶ」のが大好きです。
鰻でも天丼でも、「松・竹・梅」から選ぶとき、つい「竹をお願いします」と頼みがち。
心のどこかに
「梅を頼んで、貧乏人だと思われたらどうしよう」とか「松を頼んで、大したことなかったどうしよう」という不安感があります。
とくに「ビリはイヤ」で「出すぎたクイは打たれる」と身をもって感じているサラリーマンは、仕事では中団好位置キープのポジショニング、そして食事では「竹」を選んでしまうのであります(?)。
引用元: ・【ビジネス】「松・竹・梅」で竹を選んでしまうのはなぜか? 買わせる値段の決め方
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